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レベニューシェア型のファイナンスはデットファイナンスに劣後するんじゃいないの?

最近、コーポレートファイナンスを少しずつ勉強している。ファイナンスに関しては門外漢もいいところだから。それで、レベニューベースドファイナンス (Revenue Based Finance : RBF ) というのを知った。ベンチャー界隈で新しい資金調達方法として注目されていて業界も成長しているらしい。

ざっくりとレベニューベースドファイナンスの説明をすると、お金を借りる時に利子が発生するのでも、会社の株式を渡すでもなく、会社の利益の一定割合を毎月返済していくタイプのもの。

 

たとえば、100万円を手数料20%でRBF業者から調達するとする。毎月の会社の収益が100万円で、その収益の10% (だいたい10%が多いらしい)、10万円を借りた額に手数料を乗せた計120万円の返済が完了するまで払い続ける。このケースなら1年間。

 

2019年のこの方式による流通額は世界で$901M、これが2027年には$42Bにまで成長すると見込まれているらしい。年成長率61.8%だからものすごく伸びている。もともと音楽や映画業界でよく使われていた手法らしく(事前にお金を借りてライブや映画の興行収益で返済するやつ)、それがここ5年くらいでスタートアップ界隈でも広まってきたようだ。

 

起業家にとってこの方式の何がいいかって、ベンチャーキャピタル (VC) からの調達と違って株を渡す必要がない。また、多くの業者がリードタイム短く融資判断をしてくれるらしい。VCからの調達ならDDして…って少なくとも1カ月くらいかかる。それがRBFなら数日で判断してくれる。

 

・気になるところメモ

-銀行からの短期借入と何が違うのか?

これは環境もあるのかもしれない。日本ならとりあえず何か事業やるなら銀行からお金を借りる。デットファイナンス、つまりは有利子負債を持つことになるのだけど、それでもたぶんRBFの手数料より利率は安いのではないかと思ったりする。デットかエクイティ(株)どっちで調達するかって、リスキーな事業をしようするときの調達はエクイティで、計算できる事業ならデットでって基本があると思うのだけれど、それでいうと、このRBFって会社の収益からの一定割合を返済に充てる契約。

業者の融資判断も安定した収益の有無がキー。それがないと返済されないから。ということはそんなに急な資金需要ってあるのかなと思ってしまう。メインバンクにしてるところからの短期借入でよくないかと思ってしまうのだけど…。このあたりは自分がスタートアップの現場で働いた経験がないからよくわからない。

ただ、株を渡さなくていいし、担保も要らない(その代わり手数料割高そう)で資金を調達できるというのは使い方次第で良いのだろう。それに、会社にとっては資金調達の方法の選択肢が増えるというのはいいことであるとは思う。