どうしてぼくはこんなところに

冷静と情熱の間で彷徨う人のブログ

国際協力に向いている人?

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先日、国際協力界隈の人が集まる勉強会にでたんだけど、この人たちはこんなことも知らないのかと思うと同時に、どうやらぼくは国際協力という仕事は向いているのかもしれないと思うようになった。そのメモ。

 

まず、前提として勉強会なのだから、そのトピックに関してできない人が集まっている。改善しよう、ブラッシュアップしようとしている意欲ある人たちばかりなので、それを踏まえた上で、読んでほしいし、ぼくの偏見を多分に含んでいる点をお忘れなく。

 

そして、ここでいう国際協力とは農村開発のことで、人道支援系とはまた事情が異なるのであしからず。

 

 

 

 

ビジネスの基礎はおろか、フィナンシャルリテラシーも怪しい

 まず、「NGOの運営をサポートするとして、資金繰りをシュミレーションしてみましょう」というお題があった。

 

お題としても実際の事例としてもよくあるものだと思う。村の女性グループが村で取れたオレンジでマーマレードを作って売る。

 

オレンジ、砂糖、ビン、鍋、キッチンスペースなどいろいろ用意するものがあって、自己資金だけでは足りないのでお金を借りるとする。返済計画をつくってどれくらい儲かるのか、きちんと返済できるのか考えましょう、というもの。

 

そもそも信用がないところで担保なしお金借りることは可能か?という疑問はおいておいて(なぜならトレーニングで、メインは事業計画と資金繰りのシュミレーションだから)、グループワークで計画してみる。

 

融資された翌月から返済が始まるから…、利益がでて、返済も完了させるためにはマーマレードの価格はこの予定販売価格では赤字で破産してしまう…、そもそも製造した分が全部売れると想定しまってるけど大丈夫?製造過程や配送時でのロスは想定しなくていいの?じゃあオレンジの仕入れ数増やさないといけない?

 

みたいな議論をやって、それらしい計画をつくった。与えられた条件の通りにやれば結構しんどい。資金繰りが。ちょっとマーマレードビジネスは諦めた方が良いかもしれない(利益を出そうとすればマーマレードの販売価格が競合他社品よりはるかに高くなってしまうから)、という結論にぼくたちのグループはなった。

 

それで、他のグループはどんな感じの計画や結論になったのかなと発表し合ったわけだけど、「(材料の仕入れと月々の返済で商品販売前に)資金がショートしてしまうので追加融資をお願いします!」って言ってるところが結構あってびっくりしてしまった。

 

その他のグループも年度内に返済ができてなかったり、融資+自己資金のビジネスだったのに、年度末に残ったお金が当初持ってた自己資金以下だった。

 

これには本当にびっくりした。

まず、追加融資なんて論外だろうと思う。だって、資金繰り的にはその年度を乗り越えられたとしても、次年度どうするの?って疑問を持ってないってことなんだもの。

 

このマーマレードビジネスは、オレンジの収穫時期にオレンジ仕入れて、マーマレードに加工して瓶詰めして売る、年から年中生産できるわけではない。これはつまり売上が発生しない月があるということ。加工した分を売り切ってしまえば次のオレンジのシーズンまで売り上げゼロのビジネス。

 

初回の融資分の資金ショート回避のための追加融資って、その年度は乗り切れたとしても、現実は次の年度が始まるわけで、2021年の次は2022年1月がやってきて、当然未払い分の返済をしないといけない。売上=入ってくるお金ないのに。そのグループのシュミレーションだと次年度から3か月で返済できなくなってた。自転車操業にもなっていない。サスティナブルになってない。

 

で、次年度も同じビジネスをやるとすれば、材料(びん、オレンジ、砂糖)仕入れるためのまとまったお金の融資を受けないといけないわけで、年度内に返済、ないしは返済できて次年度もマーマレード販売できるだけの現金が年度末時点で必要だと思うのだけど、そのあたりを考慮しているグループはぼくら以外なかった。

 

みんな資金ショートしないようにExcelをこねくり回してただけで、ひとつの年度っていう限られた枠内というか担当期間内だけうまくっていればOKみたいに思えてショックだった。

 

ここにいる人たちは、自分でローンで何か買った経験がないのかなと思ってしまう。60万円一括で払うのはきついけれど、毎月2.5万円24回払いなら今の収入だと大丈夫みたいなこと考えたことないのかな。

 

こういうのは簿記とか会計云々よりも想像力の問題だと思うのだけど。

 

 

メーカー勤務経験は国際協力で大いに活かせる

 

だんだん悪口になっている気がするので話を戻そう。

国際協力とか社会起業に惹かれる人って心がきれいな人が多いから、例えば女性グループが何か作ったら、環境に優しい商品を作ったら、フェアトレードの商品を売れば、みんな無条件で買ってくれると信じてる人が多いんだけれど、現実のビジネスはそんなことはないし、そんな力学で世の中は、資本主義の世界は周っていない。多くの人はそんなことは一切考慮しない。

 

 

 そのあたりの現実と、それでも社会起業で成功するためには世の中に実際に大きなインパクトを与えるためにはどうすればいいのかってことが書いてあるのが、上記「夢はボトルの中に」っていうマンガ。

 

これは、アメリカで健康志向のお茶を販売したスタートアップの話なんだけれど、メーカーの悲哀が詰まってて非常に良い。ビジネスが軌道に乗り始めるとインドの産地や南アの女性グループから茶葉をフェアトレード仕入れたりして、差し伸べる手を広げているんだけれどとりあえず読んでみてほしい。メーカー勤務経験があれば涙なしには読めないし、なくても疑似的に体験できる。

 

およそ、国際協力の世界でも、とりあえず村で商品つくってみましたみたいなプロジェクトが多い。作ること、作ろうとすること自体は悪いわけではないけれど、採算が合っているのかは疑問だったり、コストに配送費が含まれていなかったり、そもそも配送手段が考慮されてなかったりする。

 

 メーカーに勤務した経験があれば、材料を手配して、最低ロットはいくつで、何日で工場に納品されて、加工はいつから始まって、ロス率はどれくらいで、支払いはいつで…みたいなことを息を吸って吐くように想像できるし、どこで詰まりそうかまで当たりがつけられる。

 

その経験は国際協力において、農村開発において非常に役に立つ。仕入れから販売までの全体の流れを知っているのは、とにかくうまくいかないことだらけの世界において、ミスを減らし、成功確率を上げると思う。

 

それに、メーカーって本部と工場の価値観の違いがあったり、仕入先や納入先との調整やなんだで、「この商品に関してはこれでいきます」って話をまとめないといけない。これは国際協力の現場でも同じで、いろんな人にお伺いを立てて、波風立てないように、多くの人に協力してもらうために…と裏に表に動くのは同じ。

 

世界で起こっていることは国内でも起こっている

地方出身者 (都市部出身でない人)は国際協力に向いていると思う。なぜかというのは説明するのは難しいのだけど、田舎ってどこの国でもだいたい同じ力学でそのコミュニティは周っている。

 

マイルドヤンキーみたいなのがいて、有力者がいて…みたいな。世の中にはいろんなひとがいるなあと小学校や中学校で学ぶ。高校や大学だと、自分の学力や価値観、親の所得層などが似通ってくるから多様性は減るけれど。

 

例えば、ぼくの地元だと苗字を聞いただけで、その人のことは知らなくてもどこに住んでいるかの見当がつく。田舎は噂が周るのが早いというけれど、それは途上国の現場でも同じで、ぼくがいたところでも何か事件があると、ニュースで速報が流れるころには、詳細な情報がwhatsappでシェアされてた。

 

これは一例に過ぎないけれど、〇月は農作業忙しいし、どうやったってそれが優先になるみたいなことを感覚的にわかっていると文化の違いはあれど基本は同じだと思えたので、田舎育ちも悪くない。

 

都会育ちの人は近所づきあいみたいなこともしないので、地域コミュニティの雰囲気みたいなのにも疎い気がする(偏見あり)。大学で神戸にでてから、田舎出身というのがわりとコンプレックスだったりしたんだけれど、国際協力系の仕事をするようになって、田舎出身で良かったと心から思っている。ほんとに。めちゃくちゃ向いてると思う。