先日、教育関係の人たちと、経済とか政治ってすごく大事なのにほとんど義務教育で扱わないよねって話をしていて、いろんなところに話が広がったんだけど、その中でお小遣い制についての話がおもしろかった。
そもそも自分たちの子供の頃はどうだったよって話にまずなるんだけれど、お小遣い制が多かった。ある人は帳簿をずっとつけてて、1円単位で記帳してるんだそうで「なんで2円合わないんだ?」なんて頭を悩ませたりするんだそうだ。それはそれですごいんだけれどそういう細かなところまで自分の資産状況を管理できていると考えるとすごい。
とにかく、みんなお小遣い制によってお金の管理を自然と学ぶことができるようになるんだという話になっていた。
なるほどなと思ったけれど、なにか足りないような気がした。自分の子供の頃を振り返ると、そもそもぼくは小遣い制ではなかった。お祭りなどイベントがあると小遣いをもらっていたと思う。そして、もらった分ぜんぶきれいに使って帰ってきていたように思う。
お祭りの会場で、どのくじ引きが期待値が高そうか、何回遊べそうか、アイスは食べれるかどうかみたいなことを子供ながらに考えていたように思う。
子供の頃に、特に小学生のときに、お祭り以外でお金使うことなんて思いつかないし、覚えていない。
この頃の大きな買い物といえば、ぼくらの時代はゲームボーイや64のカセットだろうと思うけれど、これって仮に月のお小遣いが3000円じゃ買えない、足りない。(ぼくはずっとおじいちゃんにねだって買ってもらっていた。両親は買ってくれたことはないと思う。)
するとお小遣いチームはどうするかというと、お年玉をやりくりしたり、単純に貯めるわけじゃない?ただ時が過ぎるのを待つばかりってやつ。
それって、お金の教育になっているのかって話で、ここで得られるのって忍耐力だけなんだよね。自分が我慢してる間に友達はそれ買ってたりして、下手したら自分が買う頃には友達は飽きてたりするわけじゃない。地獄だよね。
不条理を知るとかいう教育方針も含まれているなら、それはそれで良いでしょう。
けどね、言ってしまえば最新のエンターテイメントを体験できる機会を逸してるんだよね。それって、どうなの?って思う。一説によると、ゲームを通して想像力を育んてるわけじゃない。その機会を奪ってるとも言えるわけで。
まあこのあたりはバランスが大事なのかもしれない。なんでもかんでも与え過ぎは良くないかもしれない。けど、子供が興味を持ったものにきちんと機会を与えてあげるっていうのは親の大事な役割のひとつだと思う。
さて、話が逸れた。
お小遣い制に話を戻そう。
ぼくは上記の通り、基本的に苦労しながらも欲しいものは必死でおねだりしながら手に入れてきた。上記の理由も含めて、だからお小遣い制に反対というわけではない。
でも、お金の教育という分では不十分だと思う。
というのも、お小遣い制じゃお金は常に誰かから与えられるもので、「稼ぐ」だとか「投資」という感覚を育めない。天からのお恵みを待つばかりで受動的すぎやしないかと思ってしまう。
このあたりの感覚は、そのとき話してた公務員たる教職員の方々にはわからないようだったけれど。
ぼくは大学生のときにアマゾンから売上がでたとき、すごく感慨深かった。これが稼ぐってことなのかと思った。バイトは時給で拘束された時間に対して支払われるわけだけれど、自分で稼いだ感がそんなになかった。たぶん自分で工夫したところがないからだと思う。
アマゾンからのアフィリエイトの振込みは結構工夫したし、どこの馬の骨とも知らぬぼくを信用して商品を買ってくれた、しかも大勢が、っていうのが単純に嬉しかった。認められた感があったから。この感覚はもっと早くに知りたかったとさえ思った。
それがうれしくって、いろいろ考えたりしながら投資の概念も覚えていったように思う。
それで、結局なにが言いたいかというと、N数は少なくて申し訳ないんだけれど、莫大富を築いた人って小さい頃にそういう投資に触れてることが多いように思う。
ザッポスのトニー・シェイは子供ころ、親におねだりしてミミズをいっぱいかって庭で増やして売ろうとしていたし(盛大に失敗したようだが)、村上ファンドの村上氏は小学3年生のときに100万円の現金を大学までの小遣いとしてもらったようだし、日頃から投資の考え方に父を通して触れていたようだ。
あと、出典は忘れてしまったのだけれど、誰かは同じように10万円まず資産としてもらって、お小遣いは毎月その資産の2%が支給される的なシステムだったらしい。
そういうゲーム性があるとおもしろいと思う。いろいろ失敗しながら投資を学べるし、小さい頃からそういう「お金」のやり取りに触れてると理解し難い複利もすっと頭に入ってくるようになるんだと思う。素直に羨ましい。
ぼくも将来子供を持ったらそんなふうにお金について学ばせたいなと思う。
みなさんも一度試してみては。
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