どうしてぼくはこんなところに

されば銘記せよ!人の命は短く、その住まう処は地の狭き片隅なり

エンジニアでもIT系でもない普通の中小企業のサラリーマンの退職エントリー

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2年前に中途で入社した日系メーカーを今月末で退職することになった。せっかくなので、自分の考え方の整理のためにも退職エントリーを書いておく。

 

  •  退職する会社(以下、A社)について

産業資材や食品包材向けのフィルムを製造している中小の化学メーカー。業界でもニッチな製品を製造しており引き合いが多く、業績も伸びてはいる。

  • 働いていたポジション

営業職として採用され、初年度は国内外の新規案件を担当。2年目から既存得意先を何社か担当し、社内の知財部門立ち上げに伴い、行政書士の資格を持ってるという理由で知財マネジャーを兼任。競合他社の特許出願状況の監視、出願公開された内容の分析、今後の開発分野の提案や開発部門から上がってきたアイデアを出願すべきかノウハウとして秘匿するか、という判断をしていた。激務かというと、全然そうではなく、どんなに遅くとも19時半には自宅にいた。普段は18時過ぎくらいには帰っている。

  • 入社にいたったそもそもの背景

当時、これからはSTEM(サイエンス、テクノロジー、エンジニアリング、数学の頭文字)がより一層重要になってくるから、これまでそれらから遠ざかっていた自分としてはせめてなんとかその残り香に預かりたいと思っていた。どこかのタイミングで化学系の会社へ就職した方が良いのでは?と考えていたりした。

その矢先、転職エージェントがたまたま持ってきた案件がA社で、1発目の面接終了してから5分後採用の連絡がきて、それまであまり転職活動がうまくいってなかったのもあって*1、じゃここでいいかと入社。

ただ、定年まで勤めようとかは全然思っていなくて、化学の基礎を身に着けたらより待遇の良いところか、弁理士になろうと思っていた。

そういう後のキャリアプランの思惑もあって、大きな会社に入って数多ある部門のひとつに配属されて分業に従事するより、中小の方が(経理、デリバリーや開発、契約書の作成、交渉)事業の全体を見れていろいろ経験できるというか、予算やマンパワーが足らずにやらざるを得ないだろうから、自分の能力の見極めもできるんじゃないかと期待をしていた。

  • 退職にいたる経緯~くすぶりだす違和感~

上記の通り、遅かれ早かれ退職はする予定だったけれど、想定外だったのはA社のやっている化学ってやつがぼくにとっては全然クールではなかったこと。単にぼくが疎すぎたというのもあるのだけれど、ぼくがSTEMに抱いていたイメージは社会を一変させるようなインパクトを孕んだ革新的なもの。

でも現実はこれはA社に限らないが、とんでもなく地味なことを少ない予算をやりくりしながら古い機械で、ベストでなくとも進捗悪くとも忍耐強くでき得る範囲内でベターな選択を行って開発、展開していた。

そして、メーカーにしろ商社にしろ、化学系の会社に勤めたからといって、化学に詳しくなるとは限らないということを身をもって感じた。どういうことかというと、大きい会社であれば、例えば半導体事業部だとか電子部材とかいう部門に細かく分かれているし、部門が異なれば全く無知なんてことも普通にある。

ぼくが入社前にイメージしていた広く浅く化学を身に着けるなんて自分で学ばない限り無理だと言って過言ではなかった。化学の裾野は広いのだ。

そしてぼくは自分が思っている以上に怠惰で、結局入社してから買った化学の基礎の大学の学部レベルの参考書も一度も開くことはなかった。

上記2点と自分の怠惰さにがっかりしていたことに加え、ぼくは20代後半でそろそろ自分の専門を決める時期に来ているという自覚がかなりあった。

自分はこれからこの分野でやっていくんだという覚悟とかオールインして専門性を磨きにかからないといけないと考えていた。20代でいろいろ経験して自らの専門性を決め、30代からはその専門性に磨きをかけてキャリアを作っていかなければと思っていたのだ。

その専門性がないと、「あの人に任せれば/相談すればなんとかなる」みたいな信用というかブランドは会社に吸われたり紐づけられたままで、つまりはただの冴えないサラリーマンに終始してしまって、定年後は専門性もクソもないマンションの管理人になって年金の足しにするみたいな、それまで積み上げたもの全部定年後は失ってしまう人生だろうなと思った。

それについて全然深く検討してはいなくてぼくの偏見に過ぎないけれど、生来の貧乏性のぼくとしてはそれはキツいなと直感的に感じていた。

担当変更があれば、それまですごく表面上は良い関係で頻繁に連絡を取り合っていたのにぷっつりなくなるのも、会社間のの取引を代表して担当してたに過ぎないから当たり前なんだろうけれど、なんか少しひっかかるところがあった。これはぼくが、もともとフリーランスだったからというのがあるかもしれない。

とにかく、代替可能な人材に甘んじていてはいけないという思いをずっと持っていた。

  •  転職を決めた直接の要因

お金の話なんかをしだすとキリがないと思うからここでは省く。(平均くらいはもらっていた)

上記の通り、ぼくはずっと危機感を持っていて自分にとって最小の努力で最大の成果がでる分野を探していた。そういった意味で、化学ではないと感じだしていた。

そんなときに、自社製品のブランディング及びマーケティングをプレゼンする機会があり、なかなか上々でかつここ数年で一番楽しく、インプット量が増えるのも全然苦ではないことに気づいた。

となると、その業務を中心に行ってもっと経験を積みたいと思うものだけれど、中小企業であるが故に本来は自分のポジションに求められることではない雑務をこなさなくてはならなかったり、本質的とは言えないことに時間が多く割かれることに我慢ができなくなった。なにせぼくはオールインすべき専門性の選択を早くしないとと焦っていたから。

そして、A社では海外営業も行っていたのだけれど、メイン顧客は台湾で、日本語の通訳がカウンターパートにいたりして英語を使う機会がそれほどないのにも不満だった。製品の特性上、マラッカ海峡を越えることが(少なくともぼくの営業力では)できず欧州等を開拓できなかったこともあって、英語力があっても宝の持ち腐れ状態だった。思い切って、自分を試したい、経験を積みたいという思いがあった。

そんなわけで、これ以上A社にいても自分が思うようなスピードでは成長できないと思い至った。一度そう思い出すと、そういえば社内の雰囲気が昭和っぽくていやだなとか、良い人は多いけれど、気が合う人いないんだよな、とかいろんな理由がでてくる。敬意を持つことができる人はいても憧れるほどの人はいなかったのも大きかった。

良くも悪くも普通の人しかいなかったのが退屈だったとも言える。

 で、給料も多くもらっていたわけではなかったから、そこで迷うことなくすんなり転職に踏み込むことができた。

  • 今後のこと

昔から国際協力をやってみたいという思いがあって、この度、青年海外協力隊で途上国のNGOマーケティングオフィサーとして派遣されることになった。そのことについては詳しく後日、まとめようと思う。とにかく、マーケターとして経験を積んで今後の自分の可能性を広げたい。

ぼくは自分の人生に過大な期待をしてしまっているから、ここからまたいろんなことに挑戦していきたいなと思っている。というか、その青年海外協力隊で成果をださないとぼくのキャリアも詰むので、安定とはほど遠く前途多難なのだけど、このオールイン感は嫌いではない。

 

 

*1:もともと行政書士の資格を活かして行政書士事務所に就職して経験を積んで独立しようかと考えて、法律事務所や法務部含め探していたけれど、経験者だけであったり単純に給料が安かったりして非常に難航していた。