観光ならクレーターの淵をハイキングできるのが有名だよ
誰かがそんなことを言った。登山というほど険しくはないらしい。セントビンセントの本島の北部にこの国最高峰のLa Soufriereという1,234mの活火山がある。セントルシアにもSoufriereという地名があったけれど、これはフランス語で硫黄という意味らしく、このあたりはフランスとイギリスで領有を争った歴史があって、最終的には大英帝国に所有権が確定したけれど、フランス統治時代の名残りとしてフランス語の地名が多く残っているらしい。それで、嘘かホントかは知らないけれど硫黄臭いところはSoufriereと名付けられたらしく、火山の多いこの西インド諸島はSoufriereという地名が多いらしい。
昨夏にインドネシアの山を登って以来、海外の山を登るのも良いなと思い始めたぼくはそこに山があるのだから登るべきだという気持ちになっているので、ネットで見たSoufriereのクレーターの画像がきれいだったこともあり、登った。
Georgetownから看板に沿って山道を行くと、登山道の入り口がある。セントルシアのPitonと違ってガイドを雇う必要はなかった。
登山初心者でも大丈夫
人気のハイキングコースなのか、道は非常にわかりやすい。また、なだらかで体力がなくても問題なく登れると思う。休憩しながら登っても山頂まで2時間ほど。
セントビンセント自体は常夏で気温は常時30度前後ほどだけれど、山頂に近づくにつれ風が強まり、霧がでてきて体感気温は20度ほどになる。半袖は厳しいと思う。
で、山頂でクレーターが見れるかというと、これは霧が晴れるかどうかにかかっていて完全に運。クレーターの内部が見えないことも多々あるのだそうだ。
ぼくらは上記の写真をご覧の通り幸運にも一瞬霧が晴れ内部を見ることができた。
霧がかかってて視界が10mとかそこらの中から、急に大きなクレーターが姿を現すわけだからそれはそれは壮大で素晴らしい体験だった。
昔の冒険家はこんな気持ち味わっていたのかもなと思った。
クレーターはもう1つある!
それで、実はクレーターは2つあるらしく、ぼくが圧倒されたのは新しいほうで古い方がこの山頂から30分ほどこのクレーターの淵を歩いたところにあるらしい。
それは行かねばと現地の友人の後をついていく。
クレーターの淵、霧が晴れてもこの程度。
風が強いから背の高い植物は育たない。苔やシダ植物が多いようだ。
とにかく風が強く霧が濃い。
このクレーターの深さはどれくらいだろうか、100mくらいあるのかもしれない。そういう安全面で整備されているわけではないからこのくらい近くを歩けるけれど、風でバランスを崩して落ちたらサヨウナラ。
霧の水分で服がびちょびちょになったころ、着いた。
窪んでいて霧が溜まっているのかよくわからないけれど着いた、らしい。
前方にかろうじて海岸線のような見え、え、海にでたのか?クレーターは?
と軽くパニックになりそうになっていた矢先、山頂と同じパターンでパッと霧が晴れ、カルデラ湖が姿を現した。
まったく予期していなかったことだから、なんだかとても幻想的だった。
(手前の砂地だけしか見えないと海?って思うでしょ。)
それはまるで宝探しのようで
この霧がパッと晴れて壮大な景色が急に目の前に広がるという体験は、すごく良くて感動的でインディージョーンズだとかの冒険感があった。
これは思い出に残る登山なりそう。
おすすめ度は高い。