どうしてぼくはこんなところに

冷静と情熱の間で彷徨う人の雑記ブログ

仕事は知らない、気づかなかったではすまされない!それが問題だ!

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ぼくにとって初めての海外駐在が始まるというので、似たような経験をしたという人と引き合わせてもらった。活動する国も、業務内容も異なるのだけれど、同じNGOという枠組みの中で海外で活動している / た という人はぼくの周りにはいなかったのだ。

 あと、単純に社会起業型の組織での働き方というのもいまいちイメージできていないのでそのあたりの身の置き方というか振舞いを知りたかった。

結論から言うと、完全に人選ミスで失敗だった。

ぼくが一番知りたかったこと、それはどういう失敗をしたかということ。

途上国ではとにかく、リソースが不足していてあらゆるものが間に合ってない中で活動しないといけないわけで、そんな中で、現地の状況を改善するために、どういう目的をもって、何を期待して、どんな施策を実施したのか、そしてそれはなぜ失敗と考えているのかということを知りたかった。どんな困難があるのかが知りたかった。

それによってどこまで細かく施策を策定すべきかのベンチマークにしようと思った。

ところが、その人はそんな検証可能なことは一切やってなかった。ただ、みんな思うように動いてくれないと嘆いていただけだった。

 

その男、経歴は一流につき泥くさいことは知らない

その男、名前を根岸君とする。根岸君は横浜国立の起業なんちゃらを出てるエリートで、卒業後は都内で幼稚園等を運営している会社の本部で経営企画3年経験をNGOに転職、海外赴任2年経験後、帰国という経歴の持ち主。

現地途上国事務所でも同じように経営の仕事ができると思ってたらしい。が、実際は現地事務所のスーパースターみたいな人が全部やってて、そもそも彼には何の権限もないので経営の仕事はできず。その事務所は現地の農産物の生産者組合を支援していて、彼の仕事もその生産者組合を支援することなんだけれど、それってつまり現場仕事。

現地の人との気の遠くなるようなやり取りを重ねて、現地のニーズと課題を知り改善していくというもの。

そこの課題というのは組合で作っている加工品の納期が遅れがちになっているというので、彼はその生産性向上に取り組もうとしたわけだけど、納期から逆算してもっと日程を前倒しして余裕を持って加工を始めようしたけれど、あんまり言うことを聞いてくれず、上手くいかなかったらしい。

その他にもいろいろ彼はアイデアとまではいかずとも、考えがあったようだけれど、権限がないので何もできなかったようだ。

終始、彼はこんなはずじゃなかったと嘆いていた。事前の話と違った、と。彼らは自分の能力を活かせてないと言いたげだった。

 

仕事は与えられるものじゃないんだよ、優等生君

 わざわざ出てきて、文句ばかりで得るものが何もないっていうので、ぼくはブチ切れてしまっていたのだけれど、要するに根岸君はなにもしていないのだ。何か指示されないと何もできないのだ。完全に向いてなかったのだ。

だいたい、前倒しで加工を始めようとして言うことを聞いてくれないなら、どうやったら言うことを聞いてくれるか、動いてくれるかインセンティブを設計しそうなものだけれど、それをやっていないのだ。それが仕事なのに。

「じゃあ、前倒しでやりましょう」だけで問題が解決するならわざわざ外部機関を雇ったりしないだろうよ。自分たちだけで解決できないから外の人を頼っているわけだから。

それに、「指示してくれないからぼくの力は発揮されなかった」ってすごい話だなと思った。最初、何言ってるかぼくにはさっぱりわからなかった。

だって、ぼくはこれまで会社でも指示されたことより、指示されてないことをやる方が多かったんだもの。そして、そっちの方が結果として高く評価されたし、そのおかげで昇進も早かったもの。(指示されたことだけだったら、常に順番待ちのポジショニングになって昇進は先輩の次だから時間がかかって仕方ない。だから、別のルールで勝負すべきだと思った)

でも、エリートと呼ばれる人は全部誰かが用意してくれるらしい。それをその時、察した。現場でクライアントに怒鳴られたり、会社と板挟みになってにっちもさっちもいかなくなったり、今まで汗かいたことないところから汗が垂れる経験をしたことがないんだろうなと思った。ほんとに華やかなところしか見てないのかもしれない。

ぼくみたいな人間にとって仕事は掴んでくるもので、やりたいことがあったら、表に裏に根回しなりなんなりして、要するに常に自分で作るものだったわけだけれど、エリートである彼らにとっては、カリキュラムに沿って与えられるものだったかもしれない。

大変だ、こいつぁ凡庸だ

とにかく、ぼくはこいつはとんでもない勘違い野郎で、バカなんだなと思った。自信に満ちた態度は素晴らしいけれど、一刻も早くお引き取り願いたくなった。だって学ぶべきことは皆無だし、お友達にもなりたくはなかったんだもの。

ぼくはバックグランドは法律なんだけれど、法律は知らないからと言って免責されることはない。知らないことは罪と言っても過言ではない。知らない方が悪いのだ。

それと同じで、問題に気づかないというのはかくも哀しいことなのかと思わざるを得なかった。だって、ぼくの目には彼の現地で取り組むべき仕事は明確だったから。

と同時に、ぼくも近い将来そんなふうに思われないように精進しないといけないな身が引き締まったし、どうやらぼくは大丈夫そうだとも思った。

奇妙なことだけれど、彼を見ていてあれ良いなら、ぼくはとんでもない成果を現地にもたらすことができるんじゃないかと希望を見た気がした。少し自信を得たと言っても良いかもしれない。