どうしてぼくはこんなところに

されば銘記せよ!人の命は短く、その住まう処は地の狭き片隅なり

歴史って面白さって、小さな手掛かりからいろいろ推理できることじゃないの?

 

全世界史 上巻 (新潮文庫)

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全世界史 下巻 (新潮文庫)

全世界史 下巻 (新潮文庫)

 

 最近、知り合った友達と話しているとき「chadさん歴史の本とかたまに読んでますけど、歴史って何がおもしろいんですか?」と聞かれた。その彼曰く、「何年に何が起こったとかだけだし、面白さが…」という。

 あぁ、受験ですべて終わってしまったんだなと思った。歴史というかバックグラウンドを知っていれば旅行も面白くなるのに。

いろんな伝説の由来を推理できるのに。

例えば、吸血鬼ドラキュラのモデルの1人はヴラド公(ワラキア公国の君主)で残酷で知られていたからだと言われているけれど、吸血された人も吸血鬼になってしまうというような話はどこから来ているのかというと、たぶんコウモリと関係があると思っている。

コウモリ、と聞くと「え、血を吸うやつかな」なんて思ってしまいがちなんだけれど、血を吸うコウモリは980種いるコウモリのうち、わずか3種。そのすべてが中南米にのみ生息している。他のコウモリはお花とか果物、虫を食べてる。そういうコウモリは生態系を守っていると考えられていて、吸血コウモリのいないアジア地域ではコウモリにネガティブなイメージはなく、むしろ幸運と長寿の象徴となってたりする。

欧米でコウモリに対してネガティブなイメージがあるのはその吸血コウモリのせいなわけだけれど、彼らは鳥とか小さい哺乳類の血を吸って生きているに過ぎない。

それでも危険な印象を持ってしまっているのは、彼らが狂犬病の感染源になっているからだと思う。狂犬病とは致死率ほぼ100%の恐ろしい病気なわけだけれど、発症すると文字通り狂う。昨日まで大人しかった近所の犬が暴れだして…みたいな。

昔の人はそれを幾度となく見て、理由がわからず怖かったんだろうと思う。呪われたとしか考えられなかったろうから。おそらくそれが由来なんだろうと思う。

その他にも食べ物でいうと、韓国にはスンデという豚の血のソーセージがある。これ、スロベニアにもある。どっちも伝統料理的な位置づけになっていると思う。

やっぱり同じ人間だから人間の発想はどこに住んでても同じなんだろうかなんて思うんだけれど、豚の血を食べるなんていうのは、栄養をそこから取るしかなかったということだろうから、きっと農耕民の文化ではないなと。すると、韓国とスロベニアの2つの地点の共通点というのを考えると、モンゴル帝国の文化かなと思いいたる。彼らは遊牧民であって、農耕民ではないわけだし。

というわけで、歴史を知っていればそういう日常の些細なことから「これってこういうことなのかな」なんていう推理ゲームができる。さながら探偵のように。

それだけでも面白いし、例えばフィレンツェなんかに行けば、「ここがメディチ家の!」なんて思いを馳せながら、なんなら当時の人と同じ景色をみながら街歩きができる。ぼく、もともとある程度は知ってたというのもあるけど、ドラマのダ・ヴィンチ・デーモンちょうど見てた時にフィレンツェ遊びにいったんでめちゃくちゃ楽しかった。

 

ダ・ヴィンチ・デーモン DVD-BOX

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 (ドラマ自体も面白いのでおすすめ)

 

そんなわけで、楽しく歴史を学べる本ということで冒頭に出口さんの本のリンクを貼ってるけど、歴史を学ぶというとちょっと仰々しい気がするけれど、物語として、単に読み物として楽しいから、そのおもしろさを認識する良い機会になると思う。

 最後に、上述の出口さんが若かりし頃、聴いた言葉を引用して締めたい。

人間はワインと同じ

どんな人も自分の生まれた場所を大事に思っているし、故郷をいいところだと思っている。そして自分のご先祖のことを、本当のところはわからないけれど、立派な人であってほしいと願っている。人間も、このワインと同じで生まれ育った地域(クリマ)の気候や歴史の産物なんだ。これが人間の本性なんだ。だから、若い皆さんは地理と歴史を勉強しなさい。世界の人が住んでいる土地と彼らのご先祖について、ちゃんと勉強しなさい。勉強したうえで、自分の足で歩いて回って人々と触れ合って、初めて世界の人のことがよくわかる。特にぼくのような外交官にとっては地理と歴史は不可欠だ。

元米国国務長官ヘンリー・キッシンジャー