さあ、才能(じぶん)に目覚めよう 新版 ストレングス・ファインダー2.0
- 作者: トム・ラス,古屋博子
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2017/04/13
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (2件) を見る
意識高い人たちはみんなやってる自己分析、ストレングスファインダーをいまさらではあるけれどやってみた。
ストレングスファインダーというは、上記の本を買って、本についてるアクセスコードを入力して自己分析を行うもの。全部で34の資質があって、この新版だとトップ5がわかる。*1
その資質が自分の強みだから、弱みに目を向けるよりもそれらに目を向け、その資質を活かして自分のポテンシャルを爆発させて人生を豊かにしようよ!というもの。
こういう、性格診断だとか自己分析ツールなんていうのはご存知の通りたくさんある。でもそれらは多くの場合、少ないパターンへの当てはめで、占いのようなもので当てはまらなくはない、近からず遠からずなあいまいな診断結果をよこす。参考になるようでならない。
ぼくはそれらを疑いの目を持って接しつつ、そういうのを試さずにはいられない程度に好きなのだけれど、これは結構実用的だと思う。少なくとも、これまで受けてきた自己分析ツールの中では1番有用だと思う。特に就活生やぼくのように人生に行き詰っている人にとっては。皮肉を込めて This time is different!と言いたい。
一線を画す理由は、全部で34種類ある資質から潜在的(場合によっては顕在化している)に自分に備わっている資質を5つ―診断からもっとも強くでてる順で―ピックアップしてくれるから。組み合わせは3000万通り…だよね、たぶん。
その資質を持っている人は一般的にどういうタイプの人でどういう可能性があって…というのが各資質ごとにずらりと並ぶ。そしてその資質の活かし方、伸ばし方のヒントも添えてある。
- 着想…新しいアイデアを考えるのが大好きで、全く異なる現象に見えるものの間に関連性を見出すことができる
- 未来志向…未来がどのようなものかについて考え、そこからアイデアを得る。未来についてのビジョンを語ることで、人々を高揚させることができる
- 学習欲…学習意欲が旺盛で、常に向上を望んでいる。特に結果よりも学習すること自体に意義を見出す
- 収集心…より多くの知識を求める知りたがり屋。ものを集めたり、あらゆる種類の情報を蓄積したりするのが好きな人がこのタイプに多い
- 内省…頭脳活動に多くの時間を費やす。内省的で自分の頭の中で考えるのが好きで、知的な討論が好き
となってる。(ほんとは各資質に一般的な文言とぼく向けにパーソナライズされた10行以上の分析がされている)
だいたい想定内、というか普段のぼくそのままで笑ってしまった。
もちろん、現段階で各資質100%満たしてるとかいうわけではなくて、あくまでその傾向がある、その資質が伸びる可能性が高いと受け取っている。
ぼくは、自分のことをようやくわかり始めたところで、まだ見落としはないか、なにか眠れる才能があるんじゃないかって期待を持って、資質を客観的に把握できるこのストレングスファインダーを受けたんだけど、その意味じゃ見事に裏切られてしまった。
実は、社交性的な資質があることを大いに期待していた。それがいまのぼくに最も足りたいという自覚があったから。それが診断の結果で「資質有り」となれば明日から覚醒できそうな気がしたから。プレゼンがんがんできそうな気がしたから。
だから、だろうなと思いつつ、全体的に良いことを書いていつつ実際的なレベルで考えるとどれも中途半端な現状をかぎりなく忠実に反映した結果といえる。
この資質を活かすには、こういう資質を持った人とパートナーになりましょう。という項目もあるんだけれど、これはすごく活かしてるなと思った。
みんな同じ、ではなくて各々異なる資質を持っているということなんだから、似たような学歴や出身地などのバックグラウンドの人でも同じアプローチではだめだと、いうことに気づかさせてくれる。当たり前といえば当たり前なんだろうけれど、向き不向きはどのレベルの人にもあるものだというのは忘れがちだった。
さっき、「皮肉を込めて」なんて書いたのは、そういう面もあるんだろうな程度に見るように努めようとしている自分がいるからだ。穿った見方といってもいいかもしれない。
その理由はいくつかあるんだけど、未来志向だとか学習欲なんていうのは、現実が厳しくて未来にしか希望がないからで、学び続けないと自分はサバイブできないと本気で思っていてかなりの危機感をもっているからだ。
だから、十分な資産があったり大企業に勤めてたりして「現在」がそれなりに満たされていたらきっと、こんな資質はでなかったろうと思う。
いうなれば、それらの資質をぼくは後天的に取得した可能性がある、ということだ。
昔からそうだったと言われてしまえばそれまでなんだけど。*2
It takes all the running you can do to keep in the same place
(その場にとどまり続けるのにも全力で走り続けないといけない)
っていう赤の女王仮説*3をぼくは信奉していてる、というだけにすぎないのだけれど。
とにかく、誰かから、あなたはこういう資質があるからそこをこんな風に伸ばしていきましょうね、なんていう機会なんてそうそうあるものじゃないし、客観的に資質を把握することに自分をより理解することに繋がって、ぼくはこんな風に考えたり行動する傾向があるんだなということを知っておくことは大事なことだと思う。
そういう性質が自分にあるんだと知っていることで、安心感と自信をもたらしてくれる。ストレングスファインダーをやってみてからまだ1週間しか経っていないんだけれど、受ける前よりも毎日が楽しくなった気がする。
おそらく、自分の行動とか選択の周りとのギャップに少し不安感があったのだろうと思う。
とりあえず客観的に自分の才能を洗い出すことはできたわけで、ヘンな期待をせず自分の能力をみながらこれからの人生のかじ取りを考えたいと思う。
*1:アクセスコードの使用は1冊に1回切りなので、中古本だとアクセスコード使用済みの可能性大。新品を買うように。
*2:あと、どこまで信じるかによるのだろうけれど、資質を伸ばすトレーニングなんてなのもあって、認定トレーナーなる人たちが存在するらしい。この手の人たちは不自然に顔に笑顔が貼りついていて、カルトっぽい雰囲気があってどうも苦手でとてつもなく胡散臭く感じてしまう。単純に、ぼくはキラキラした人たちが苦手というのが8割なんだけれど。
*3:ルイス・キャロルの小説「鏡の中のアリス」でのセリフ。ヴァン・ヴェーレンは、科の生き残る可能性はその経過時間に関係なく、どんな科も絶滅する可能性はランダムであることを発見した。例えば、ある種における改善は、それがどのようなものであってもその種に対する有利な選択を導くので、時間経過に従ってますます多くの有利な適応を身に付けるようになる。それは、ある種における改善が、その種が多くの資源を獲得し、競争関係にある他種との生存競争での生き残りに、有利になることを示唆している。そして同時に、他種との競争で有利であり続けるための唯一の方法は、デザインの継続的な改善だけであることを示している(Heylighen, 2000)。
この効果のもっとも明白な一例は、捕食者と被食者の間の軍拡競走である(例えばVermeij, 1987)。捕食者はよりよい攻撃方法(例えば、キツネがより速く走る)を開発することで、獲物をより多く獲得できる。同時に獲物はよりよい防御方法(例えば、ウサギが敏感な耳を持つ)を開発することで、より生き残りやすくなる。生存競争に生き残るためには常に進化し続けることが必要であり、立ち止まるものは絶滅するという点で、赤の女王の台詞の通りなのである。(Wikipediaより引用)