しばらく前のことになってしまうんだけれどTwitterのTLに、その人にとっての本当の強み、他人には簡単に真似出来ない強みっていうのは、本人にとってはできて当然、当たり前過ぎて気にも留めないことで、それを強みだと指摘されても当たり前すぎてピンとこない、というような内容のことが流れてきた。
なるほどな、と思いながら自分の記憶を掘り返す。
褒められたこと、褒められたこと…。
そういえば、「行動力がすごいですね」と言われることがたまにある。
1人で海外旅行に行ったり、シェアハウスに住みだしたり、仕事も決まらない内から東京に引っ越したりするのが、ある人たちにとってはすごいことのようだ。
正直、ぼくは石橋を叩いて渡るタイプだからいわゆる危険なところなんて行ったことないし、シェアハウスは見知らぬ人と暮らすというより家具付き+広いリビングがあるのに家賃がびっくりするくらい安いというところに魅力を感じたに過ぎないし、就職先がきまらないまま東京に引っ越したのも、どうせ東京に住むんだから事前に職が決まっていようが事後だろうが同じことだと思ったに過ぎない。むしろ、就職先が決まるまで東京行きを我慢できなかっただけなのだ。
ぼくとしてはある程度考えた上の行動で、結果もだいたい想定の範囲内に収まるのだけど、客観的に見れば行き当たりばったりに過ぎない。
さらに正直に話すと、ぼくは用事があるとき以外に外出はしない*1程度に引きこもりで、困ったことに人見知りが激しい。上手く社交的に振る舞える時もあるけれど基本的にはびっくりするくらい喋らない。上手く振る舞えている時でも、ほんと上っ面だけでかなり消耗してしまう。シェアハウスに引っ越した時も、最初の3日間くらい、他のルームメイトと会わないように人気のないときに行動していたりした。
そんなわけでかなり行動力は低いと言わざるを得ない。行きたい、やりたいと思ってもほんとにやり始めるまでにかなりの時間がかかってしまう。東京に引っ越したのも、なんとなく東京に行きたいなと考え始めてから2年くらい経った後のことだ。
行動力が低いわりに自分の人生に望むものは多岐にわたるという業の深さがある。そんなわけで、まずシェアハウスに引っ越すだとか、東京に先行っちゃうだとか、なんとかしないといけない状況を無理やり作って、LAZYなぼくを促している。
(参考記事:What Am I Doing Here? どうしてぼくはこんなところに)
エラそうなことを言っているけれど、それまでに何度も石橋を叩いているし、なんだかんだでやらない方が多いのがざんねんなところ。
それでも、人見知りで引きこもりがちなぼくにとっては大きなことで、そのきっかけとなったのが今回の表題、Let the world change you, and you can change the world。
訳すと、世界にあなたを変えさせよう、そうすれば世界を変えることができる。というもの。
これは誰かの名言とかじゃなくて(…たぶん) 映画のキャッチコピー。
それがこれ。
- 作者: エルネスト・チェ・ゲバラ,角川書店装丁室,棚橋加奈江
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チェ・ゲバラが革命家への道を歩み始める前の南米縦断旅行の日記を基にした映画。
裕福な家庭に生まれ、医者志望だったゲバラが悪友と2人で南米縦断の卒業旅行の様子を描いている(当初は北アメリカまで行こうとしていた)。
旅先で女の子をナンパしたり、トラブルがあったり喧嘩したりなんていう " 楽しい " 旅で終わるはずだったんだけど、安く土地を買い叩かれ追い出され途方に暮れてしまっている小作農や、炭鉱での日雇いの仕事を求めて砂漠をさまよう人たちといった資本主義の負の側面や害はないのに隔離されてしまっているハンセン病の人たちを目の当たりにする。ゲバラにとって、彼の生活していた社会階層ではそんなものそれまで見えなかったもので、その格差に彼は愕然としてしまう。
革命家への道を歩む大きなきっかけになったと言われるゲバラの原体験がこの映画。*2
ある偉い人によると差し迫った必要性がないと人は変われなくて、才能というのは危機感に支えたれた意思なのだそうだ。
そうすると、ゲバラは1番感じやすい時期にその歪みを目の当たりにし強烈な危機感を感じたのかもしれない。
いずれにせよ、変わりたければ自分を追い込んで危機感なり必要性なりを作り出せばよいわけで、つまりはLet the world change you, and you can change the world。
まずは環境を変えましょうという話で、ぼくは単にそれを実行しているだけに過ぎない。
じゃあ、ぼくの強みってなんなんだろうね。
歩き続ければ、大丈夫。---アフリカで25万人の生活を変えた日本人起業家からの手紙
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