どうしてぼくはこんなところに

されば銘記せよ!人の命は短く、その住まう処は地の狭き片隅なり

君はさ、ほんとは何人に生まれてきたかった?ざんねんだけどぼくは他の人生を想像できなかったよ

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 ぼくは英語も満足に話せないアラサーで劣等感の塊なもんで、英語ペラペラな上に中国語やスペイン語、フランス語が堪能なんていう国連公用語の2つをマスターしてる人を心底羨ましく思っているし、妬ましくすら思っている。

 自分が勉強してこなかったという一言に尽きるのだけど、彼らの多くは少なくとも1つは母語で、みたいな生まれのアドバンテージがある。

母語が日本語で、英語の必要性すらまともに認識し始めたのが成人後のぼくのような人間にとっては、スタート時点で果てしない差を感じてしまうわけで気にしても仕方ないことなんだけど、(文法とかリズムを覚えるのを含めて)簡単で良いなぁと感じてしまう。

 もちろん、自分が日本人であることを恥じているわけじゃない。むしろ、治安は良いし平和で、食べ物もおいしいし選択肢も多い、どこへでも比較的簡単に旅行に行ける経済力のある国にラッキーだったと思ってるくらい。

ただ、ぼくは世界中でいろんなものを見たい、知りたいという欲望を持っているが故に、不自由を感じることが多いという話だ。

 いつか外国人として海外で生活したいと思っているぼくは、その国での外国人としての人生、移民の人生というのに興味があるというのもあって、日本に住む外国人の友だちがそれなりにいる。

文化の違いや日本での生活の不満や差別、偏見などいろんな話をお互いできるだけ暗くならないように皮肉を混じえて話すんだけど、その中でアジア人の友人からタイトルのように「ねぇ、ほんとは何人に生まれてきたかった?」と聞かれた。

この手の質問は要するに白人に生まれたかったかどうかということ。アジア人も欧米じゃ差別されるから。わざわざ口にしないけれど、悔しいことの1つや2つあるんだろう。

日本人にとっての白人はアメリカ人が真っ先に思い浮かぶけれど、白人アメリカ人として生まれたかったかというと素直にYESとは言えない。 

たしかに東アジアの農耕民族のぼくは足は短いし身体はがっちりしてるからスタイルは良くないし、鼻は低いし目は細い…なんていうざんねんな要素しかない。それに引き換え白人は背も高いし鼻も高いしで、身体的特徴でぼくがないものをすべて有している。母語が英語だし、これは魅力的だ。

けれど、アメリカで現在ぼくが日本でしてるような「普通」の生活ができるかというと疑問が残る。アメリカは世界中から優秀な人が集まってくる。大学だってそうだし、就職先だってそうだろう。世界中のスーパースターが山ほどやってくる。もちろんアメリカ国内にもスーパースターはたくさんいるだろう。

すると、凡人のぼくは普通に大学に通って、普通に就職できるだろうか。そもそも普通に大学に通えているだろうか。おそらく、日本のぼくの家族のごくごく標準的な経済レベルと同等のアメリカ人家庭に生まれていたら、大学を卒業できたとしても相当苦労していると思う。熾烈な競争の中でサバイブできるとは到底思えないのだ。

人間さまお断り 人工知能時代の経済と労働の手引き

人間さまお断り 人工知能時代の経済と労働の手引き

 

( そう思うのはこのAIの本の中で、「たかだか企業の受付の事務仕事」をするだけなのに、給料も魅力的というわけでもないのに山ほどの経験豊富な優秀な大卒たちのレターが届くという項を読んだから。AIと直接関係はないけれど、衝撃は大きかった。一読の価値あり。)

それに、そういう状況じゃたぶん旅行でも国を出ようとは思っていないと思う。そしてそれは、世界中でいろんなものを見たいという欲望を持っているぼくにっては良い人生とは言えない。

じゃあ、イギリス人かというとイギリス人の人生もなかなか苦しそうな印象を受ける。スペイン人はあの若者の失業率を見るとごめんなさいと言わざると得ない。フランス人は、パリの治安とかNastyな感じを考えるとあそこで住みたいとは思えない。イタリアは…。北欧はあの寒さを考えると厳しい。その他の欧州はドイツ含めてよく知らない。シャワーは好きなだけ浴びたいからオージー無理。NZは世界から遠い。アフリカはワイルド過ぎる。まずもなにも中南米は治安が…。

アジアはどうかというと、ぼくが良いなあと思う人ってのは裕福な人なわけで、それは国関係なくなっちゃう。

というようなことをあれこれ考えると、いまの日本人の人生というのは決して悪くはないように思う。マンガ好きだし。そりゃ理想とは程遠いけれど、与えられたものをそれなりにうまく活かしていると思う。というか、27年も日本人やってるから、嗜好が日本にフィットしてる。ドイツに生まれてたらビールとソーセージを愛していたろう。

しょうもない奴めと思われるかもしれないけれど、ぼくはそういう奴なのだ。

「もし高校生に戻れるとしたら何したい?」みたいなやり直せるとしたら系の質問もぼくは妙に現実的に考えてしまうので、めっちゃ勉強したと思うみたいなことは言えない。だってぼくは生来の怠け者で、夏休みの宿題は8月30日からやり始めるくらい、ケツに火が着かないとエンジンがかからない。そんな奴がどんなにやり直したって、結局同じことを繰り返すに決まっている。間違いない。27年間同じことを繰り返してきたんだから。

そんなわけで、理想を言えば、何人でも良いから中学受験させるくらい裕福な家庭に生まれてきたかった。そうすれば、少なくともティーンの間に英語はマスターしてしまっているだろうし微積分もアラサーにもなって必死こいて勉強するはめにならなかったと思うんだよ。

もっと人生がイージーなものだったと思うんだ。