どうしてぼくはこんなところに

されば銘記せよ!人の命は短く、その住まう処は地の狭き片隅なり

What Am I Doing Here? どうしてぼくはこんなところに

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ぼくは、いろんなところに行っていろんなものを自分の目で見たい、体験したいという欲望を持っている。加えて、ぼくは人生に刺激を求めている。

旅行先も、キレイな風景に囲まれてお洒落な食事をして悦に浸る光景が安々と想像できてしまう予定調和な先進国の旅行よりも、必ずどこかでイレギュラーが発生するであろう途上国を旅行する方が好きだ、むしろ、ある種の困難を求めているといっても過言ではない。目的地までの冒険的な過程を求めている。

早い話が毎日決まりきったルーティンのような日々が続く “安定した” 人生は嫌だということだ。  

これは別にぼくに限ったことじゃなくて、ごくごくありふれたことだと思う。自己紹介での趣味はなんですかみたいな他愛ない会話で言うことといったら、「旅行、おいしいものを食べること」という代わり映えしない返答が待っているように。

それでも多くの人は、行きたい所やおいしいとされる食べ物を食べに実際に行ったりはしない。仕事が忙しいから時間が取れない、1食2万円を自分のお金ではちょっと…やらない言い訳は山ほどでてくるし、実際やらなくたって人生に何も悪影響はない。責める人もいない。むしろ、安易に行ってしまえば思わぬ出費に少なくとも短期的には苦しむことになる。賢明な判断だと思う。

それに、友だちの話やネットで少しググればいくらだって情報や画像がでてくる。なんなら2割ほど誇張されて。実際、それだけの情報があれば会話する分には苦労しないし、十分楽しめる。

「あれって、◯◯なんでしょ?」「その話聞いて私には無理だと思ったもん」「◯◯らしいよ」なんて。

ぼくは、そういう知った気になるだけじゃもの足りないことが多い。

そういう感覚を明確に意識したのはシェアハウスに住んでいたときだったろうと思う。ぼくの人生に欠けていたのはこの姿勢 (行動力) だなと感じた。

そこは最短2週間から滞在できるとあって、海外からの一時帰国の人や、同じく海外からの数ヶ月のインターン生など多彩な人たちが代るがわるやってきていた。

夜な夜な彼ら彼女らの経験した海外事情、職業事情を聞くわけだけど、自分の知らないことというのはおもしろい。とてもそそる。もちろん偏見や苦労、怪しい与太話も混じっているわけだけど、それでもぼくは毎回楽しみにしていた。わくわくしていたし素直に羨ましいと思っていた。それと同時に、ぼくもそっち側に、つまりは誰かが知らないことをぼくは知っていてそれを語る側になりたい、そうありたいと思った。

思い返せば、学生時代のぼくはそちら側で途上国での旅行話をおもしろおかしく話するのが好きだった。卒業後はすっかり海外旅行はもちろん中長期の旅行に行っていなかった。

見知らぬ土地に行く機内での高揚感。機内からでたときの土地のにおい、温度、湿度、音。空港から市内へ出たときのわくわくと不安入り交じる感情。

昔はそういう、着いた瞬間ちょっと後悔するというか、思い描いていたようにいかない、緊張の連続のような旅をするのだ好きだった。あとになって振り返って良い思い出になったり記憶に長く残るのはそういう苦労だったり大変なことだから。

ぼくはかつて大事にしていたものをすっかり忘れて、予定調和な旅行に物足りなさを感じつつ、そうか、ぼくも大人になってしまったのだなと感じていたのだ。

そう、学生時代が終われば、ちょっと無理をしないとそういう危うさをはらんだものからは遠ざかってしまう。翌朝の仕事に気を取られ、いつしかぼくは波風たてない無難な選択ばかりの人生を歩もうとしていた。

ぼくが大事にしていたもの、それはときに「どうしてぼくはこんなところに」と自ら望んだはずなのにふと正気に戻って醒めてしまったり、途方に暮れてしまうような、少し背伸びした、か細い可能性に賭けたチャレンジングで心躍る人生を送ることなのだ。*1

 

どうして僕はこんなところに (角川文庫)

どうして僕はこんなところに (角川文庫)

 

そういうわけで、こういう紀行作家のような神出鬼没さに憧れている、というわけだ。実際はそう言葉通りにはいかないだろうけれどね、その残り香に少しでも預かれればそれは以前のそれよりはるかに良いものになると思うわけだよ。 

What am I doing here どうして僕はこんなところに。

どうして定住しようと思わないのか。どうして旅に出たいのか。いったい何を求めているのか。自分でもさっぱりわからない

 

*1:

以前のブログがぼくの不注意からポシャってしまってから4ヶ月。「ひとさじの冒険心」というタイトルで心機一転ほそぼそとやってきたわけだけど、タイトルに飽きた。

 よくあることなんだけど、飽きた。これはたまらない。だってものすごくダサく感じるんですもの。それにもともと、ぼくはこういうネーミングのセンスはない。だから無難なものってことで前回はAZARASHI POSTなんて名前にしていた。

普通の人は、事前に候補のタイトルをググってみて検索で競合しそうなのがないか確認するんだそうだけど、ぼくはそんなことすら知らなかった。だから、あとになってAZARASHI POSTをググると、アザラシのポストカードがまず上位に上がってきていた。

それで今回はどうしようかと、いろいろ考えて最終的になんでもいいやと思って、「ひとさじの冒険心」にしたんだけど、絶妙に青臭くて若い。どうにもこっ恥ずかしくて誰にも教えたくないなという思いが強くなってきて、タイトルを変更するならまだPVが少ない今しかないと思ったのだ。売れない若手芸人のように験担ぎで心機一転云々ではなく、ぼくのブログ執筆とぼくの人生に対するモチベーションとして、これからはWhat Am I Doing Here でいこうと思う。