どうしてぼくはこんなところに

冷静と情熱の間で彷徨う人の雑記ブログ

独学で効率的に行政書士になるためのテキスト、参考書、過去問から勉強方法まで包み隠さず披露しよう!

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(2020.4.28更新)

ぼくは遊び呆けているように見られることが多いが行政書士の資格を持ってる。とにかく、合格体験談の1つとして試験突破のノウハウを解説しよう。まずは証拠から。

 

 1.論より証拠

まずはぼくの試験結果から。

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ご覧の通り。2回目での合格。初受験は大学1年生のとき。たしか100点も取れなかった。

 

やはり一般知識が対策が難しいだけあってボラティリティ高くて足切りに近かった。危なかった。他は都合上、商法・会社法を捨てたから点が取れなかったのと記述式1問ほぼ完璧に書けた(…はず)、民法でしょうもないミスをした、とかだったように思う。

 

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2.ほんとに独学で大丈夫?

 さて、独学というのはなかなかに大変なものだ。だって、自分でコツコツ勉強しないといけないのだから。たしかに、資格スクールに通うよりはコストメリットがかなり大きい。仮に資格スクールが20万円だとして独学なら3万円程度だ。

 

けれど、資格スクールならば講師に教えてもらえるというメリットがある。さらに通学であれば講座のスケジュールは決まっているわけで、通うことで無理やりでも定期的に勉強をすることができる。教室で勉強仲間もできるかもしれない。高め合う仲間でなければネガティブな方へ働くが…。

 

一方で、独学は自分の意思力がものを言う。勉強しようがしまいが、誰も文句は言わない。ひたすら孤独と向き合わないといけない。自分の勉強の進捗が良いのかどうかもわかりづらい。安く済む分、飲みの誘い、今日は疲れたからまた明日勉強しよう…なんかの誘惑も相まってついつい勉強しない時間が増えていく…なんてことになりやすい。

 

もしこれまで中高で塾や予備校に通ってたタイプだったり、だらけやすい性格なら出費が嵩んでも資格スクールの方が向いているかもしれない。たかだか数万円の出費をケチったがために何年も足止めをくらってしまっては機会損失が大きい。

 

資格試験受験はあくまで将来の自分への投資なのだから、お金のかけどころは冷静に見極めよう。大事なのは、自分にとってはどうか、という判断だ。

 

ぼくの意見をまとめてると、初学者かつお金があるなら資格スクールに通った方が良いかもしれない。少なくともその選択肢は考えるべき。

 

ぼくは独学という選択をした。理由は過去1度受けていた、法学部卒ということの他に、決まった日の決まった時間に教室に通うのが面倒くさく感じたからだ。少なくない交通費もかかる。そして、なによりそこまでの出費をしなくても受かるという(根拠のない)自信があったからだ。

 

最後に行政書士の勉強をしてから4〜5年のブランクがあって、知識はほとんど抜けていたけれど、それでも大丈夫だった。ちゃんと受かった

 

それで、この成功体験から「何をどれだけやれば受かる」っていう勝ち筋が見えた。

資格スクールはそんなに関係ないなと感じた。なので独学で十分受かる試験だと、ぼくは言いたい。

 

大丈夫、最初は誰もがビギナーなのだ。

 

3.独学なら最低限、参考書と過去問を買おう

 参考書

とにもかくにもここから始まる。けれど、これは書店に行けばわかるがかなりの種類がある。人間は多すぎると選べない。しかし、ここで残念な選択をしてしまうと合格は大きく遠のく。だって、合格するための基礎になるものだから。

なので、実際にぼくが使用したものを紹介する。

 

うかる!  行政書士 総合テキスト 2020年度版

うかる! 行政書士 総合テキスト 2020年度版

  • 発売日: 2019/12/20
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

正直、これ一択だと思う。 理由は、合格に必要な法律や考え方が過不足なく網羅されているのと、本書の冒頭に勉強の進め方の目安を書いてくれている。そして、行政書士試験合格に必要な量の条文集もついてるから。

 

まさにオールインワン。

 

で、まあ微妙に分厚い。それは仕方ないんだけど、一度に全部使う(読む)わけではないので、この本を、憲法民法行政法…なんて感じで各パートごとにちぎる。そしてちぎって薄くなったものを持ち運んで、読み込む。(法学部あるある)

 

うかる!  行政書士 入門ゼミ 2020年度版

うかる! 行政書士 入門ゼミ 2020年度版

  • 発売日: 2019/11/14
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

元法制局キャリアが教える 法律を読む技術・学ぶ技術[改訂第3版]

元法制局キャリアが教える 法律を読む技術・学ぶ技術[改訂第3版]

 

(↑ 累計6万部超えのベストセラー)

 

ぼくは法学部だったから総合テキストから入ったけど、法律関係がまったくの初学者ならこのあたりもあった方が良いかもしれない。ここは各々の判断で。

誤解を恐れずに法の考え方の概略を言うと、法律っていうのは弱者救済というか弱い者の味方が基本スタンスで、誰のどの権利を優先させるかというルール。なので場合分けができるかどうかが問われる。極端な話、択一なんだから法律がわかってなくても、この場合は行政主体より私人の権利の方が守られるべきだから何らかの保護規定があるはずだけど救済のコストが過分にかかるなら…なんてことがイメージできれば入門編なんていらない。

 

というか、それが感覚的にわかれば7割法律を理解したと言っても過言ではない。行政書士合格は限りなく近いと言える。

 

過去問

過去問集も大事。大学受験で赤本をやって試験傾向を掴むように、行政書士試験でも試験傾向、問題の出し方を見てそれに慣れるのは大事なこと。これをやらないとせっかく法律の知識は完璧に近いものがあるのに受からない、なんてこともあり得る。

 

これも各社から過去問集がでてる。過去問なんてどこのを選んでも同じなんじゃないかと思うかもしれないが、それは違う。過去問集選びで大事なのは解説の充実度だからだ。

 

行政書士過去問マスターDX〈2019年版〉

行政書士過去問マスターDX〈2019年版〉

  • 発売日: 2019/05/01
  • メディア: 単行本
 

 

 それで、ぼくが実際にいろいろ内容をチェックして良いなと思ったのはこれ。

 ぼくが受験していたときは、上巻、下巻という感じで2冊でてたんだけど、いつからか1冊になったようだ。経緯はわからないけれど、正直、一般知識なんて過去問やったことないからそれがごっそり削られているのかもしれない。あと法改正に成り立たなくなった問題を削ったら1冊になったのかも。

 

とにかく、ぼくはこの過去問マスターDX(新刊は毎年4月下旬から5月上旬ごろにでる)を推すけど、ぼくは東京法経学院の手先ではないから、もう一度過去問選びのポイントを言っておくと、解説の充実度、これに尽きる。

 

その他

最低限、上記の2冊(ないし3冊)あれば良い。資格試験は受験日までの時間との戦いでもあるから、いろんなものに手をだすと結局どれも中途半端になって合格なんてできない可能性が高い。だからしっかりやり込むことが重要。すると、時間的にも分量的にも上記の2冊(ないし3冊)で十分だと思う。

 

けれど、ちょっと余裕があるだとか、(深みにハマりやすいが)法背景まで知りたいとか、もっと全体像を把握できないとイメージできない、理解できないという人向けに、

 

行政法読本 第4版

行政法読本 第4版

 

 というものがある。噂によるとロースクールの教科書にもなっているとかいう、行政法の入門書。

 

ぼくは趣味が読書なもんでこの本もモチベーションの維持だとか気分転換的に読んだのだけど、すごく良かった。行政法の考え方の理解度が劇的に増したと思う。なのでほんとは読んで欲しいんだけど、なにせ時間がないのが資格試験だからなんとも…。

 

4.勉強法

基本

さて、参考書と過去問がそろったところで、どう勉強していくか。

これはシンプルで、参考書の勉強の進め方に書いている通りに勉強をすれば良い。

多くの人はこれができない。単調さに途中で飽きて辞めてしまう、勝手に自己流に解釈してアレンジしてしまう。逆にいうとそれをしなければ受かるわけで、そう考えると難しい話ではない。

 

まずは法律を理解しないと始まらないわけで当然、参考書の読み込みから始める。

法律というのは民法が理解できればあとはチョロかったりする。

なので、憲法の章は飛ばして民法の勉強から始める。

順番的には、民法憲法行政法→商法→個人情報保護法→一般知識 が普通だろう。

 

それで、勉強方法だけれど、まずは民法の章を全部ざっと読む。これは大枠と流れを掴むため。100%理解できてなくて良いからとにかく読む。どうせ何度も読むのだから1回で覚える必要はない。それよりも全体像を掴むことが大事。

 

全体像を掴めば今度は細部を詰めていくためにもう一度、今度は細かく読んでいく。そして切りの良いところで、自分が進めた範囲の過去問を解く。間違っていればなぜ間違ったのか理解する。正しい知識を入れ直す。そして次へ。同じように細部を細かく読み、過去問。これの繰り返し。

 

それで、ポイントは例えば民法憲法が終わって行政法の勉強しているときに、民法の復習をしないこと。行政法に集中すること。これが大事。もちろん直前期は話が違ってくるけれど。

 

直前期、つまりは10月頃のことをいうのだが、ここは仕上げの時期なので基本は弱点の強化。模試の結果から、みんなが取れてるところを取りこぼさないように。みんな取れていないところは正直、あまり追わなくてよい。深みにはまってしまうから。大事なのは基本を忠実に。過去問でミスないようにやり込むのと参考書の読み込み。

 

記述式

記述式の対策も同じ。基本は参考書の読み込みで法律の理解を深めること。そうすればあとは書き方の問題で、その書き方は過去問の模範解答をマネすれば良い。

具体的にいうと、

記述式の過去問の問題を見る。

解答をイメージする。ex債権者代位のことだな、要件は…

↓ 書けるなら解答を作る

模範解答を見て、答え合わせをし、慣らすために模範解答を書き写す。

 

これを繰り返す。何周もする。そのうち慣れる。腕が書き方を覚えてくる。

そうすれば記述式はクリアできる(ぼくは本試験で34点しか取れてないが…)

 

模試

本試験までに模試は最低1回受けた方が良い。各資格スクールが受験申し込みの季節あたりから受け付けている。たしか1回3000円程度だ。模試によってその資格スクールの出題予想もわかるし、試験の時間配分や試験慣れによって本試験での過度な緊張を防ぐことができる。

 TAC、LEC、大原とか。

ぼくは9月末から本試験まで2週間に1回、計3回受けた。

 

 

ぼくのリアルな本試験までの勉強スケジュール

ぼくは4月の下旬ごろに参考書を買って勉強を始めた。スタート時期が遅かったこともあって、商法(5問か6問?)は捨てることにした。理由は出題範囲が広すぎて対策が難しいからだ。(実は資格スクールもこれを推奨していたりする)

 

それで、前述の勉強法の通り、勉強を進めた。もう少し具体的に言うと、民法行政法憲法個人情報保護法=4:3:2:1くらいの割合。一般知識も勉強はしていない。模試で解いて解答解説を読んだだけ。ぼくは日頃から読書をおそらく人より多くしているし、ニュースも読んでるからわざわざ対策するようなこともないと判断したのだ。結果は冒頭の通り。

 

ここまで偉そうなことつらつら書いてきたけれど、実は勉強中は内心焦りまくっていた。だって、8月になっても民法の過去問1周してなかったし、行政法も全然できてなかった。9月から1ヶ月で行政法仕上げて10月で記述と憲法と仕上げて復習して11月に個人情報保護法詰め込んで本試験、それでイケる、行くしかないという感じだった。

 

不慣れなものに取り組むとかなり時間がかかるのはどの世界でも同じだと思うけれど、それはぼくも同じで法律の知識がほとんどすっぽり抜けていたから、参考書を5ページばかり読むのに2〜3時間かかっていた。冗談抜きに。

 

それでもぼくが勉強をやめなかったのは、諦めが悪いという性格もあるけれど、根拠のない自信と、「いまぼくは法的思考ができるように脳を作り直しているんだ」と思っていたからだろう。

 

ちなみに、ぼくは10月末の最後の模試の点数も120点ほどだった行政法の択一は間違えまくっていたし、記述はできてないしで、客観的には絶望的だろうけど、それでもぼくは「記述式の対策はまだ十分できてないし、行政法も仕上がってない、個人情報保護法も一切手をつけてないからこんなもんだろう」と思っていた。

 

伸び代しかないなとも思っていた。それでも本試験の想定は180ギリギリ届いての合格だろうと思っていたけど。とにかくぼくは受かると思っていた。実際受かった。

 

5.行政書士の将来性について

ネットで行政書士について調べると悲惨なほどに悲観的なものしか見つからない。受かったけど、就職先がないとか将来性がないと云々。

 

これはまったく公平ではないように思うので、ぼくの所感を語ろう。

実際、行政書士で年収1000万だ!とか、とにかくお金を稼ぎたいとか思っているのなら、別の方法でお金持ちを目指した方が良い。

 

そして行政書士として扱う仕事によっても収入は大きく変わる。例えば、よく求人にでてくるのは車庫証明だとか、遺言関係なわけだがこれははっきり言って、事務所勤めなら安い。300万円くらいだと思う。けれど、ビジネス関係の仕事をやっている事務所はなかなか高待遇だったりする。もちろんその分、求人者間の競争は激しいけれど。

 

転職にも法務系で有利だ。とりあえず面接には呼んでもらえる。間違いなく。そこから先はあなたの資質次第だろう。行政書士云々は関係ない。法務系の職種に転職を目指す際のライバルはロースクール卒の弁護士にならない(なれなかった)組だ。だからまあ、はきはきと受け答えができないといけないわけだ。

法務系でなく総合職枠でも効く。なぜなら、法務部というのはバックオフィスだけれど、実際に法務的なやりとりが求められるのは現場だから。ビジネスとは契約書のやり取りなわけで法律に詳しければ、いちいち法務部にお伺いをたてなくて済む分、スピード感が違う。実際、ビジネスの現場で法律に明るい人は想像以上に少ない。これは本当。かなり重宝される。ぼくがそうだったから。

 

あるいは即独という手もある。実務の勉強会は、行政書士会なんかが実務セミナーなんかをやっているし、自分のそれまでの経験を活かした行政書士業務ができる可能性だってある。

 

ぼくは現在、行政書士として仕事はしていないけれど、この分野で独立できるなというアイデアはいくつか持っている。落ち着いたらまずは週末限定程度に開業してもよいと思っている。

 

とにかく、活かすも殺すもアイデア次第だ。ぼくの偏見を多分に含むけれど、ネットで全然使い物にならない資格だー!なんて書いている人はたぶん試験に受からなかったから、受からなかった自分を正当化というか負け惜しみで書いてるように見えるのがあったり、単純に活かせてないってだけで、行政書士どうこうというよりはその人自身の問題であることが多いので参考にはならない。

 

それに、意外に思うかもしれないけれど、グローバル就職にも行政書士という資格は思わぬ効力を発揮する。学歴で例えばバングラデシュのトップ大学とベトナムのトップ大学どちらの人材が優秀かどうかなんてわからないように、日本の大学をでててもそれがどの程度優秀かは海外の人にはわからない。でも弁護士っぽい資格を持ってるとなると優秀なんだなと思ってくれる。ほんとうに。ぼくはそれで海外でちょっと良いポストをゲットしたから。

 

とにかく、行政書士というものを通して何かしたいと思っているのなら、ステップアップしたいと思っているなら、その気持ちを忘れず、まっすぐブレずにやり抜くことが大事です。

 

大丈夫、全然ダメダメなぼくも受かったんだから、あなただって受かる!成功できる!

諦めさえしなければ!

 

GOOD LUCK!!

 

番外編:

資格試験とはつまりモチベーションをどれだけ維持できるかということでもあるので、下記の本でテクニックとしてモチベーション維持を習得するのもおススメ。

 

 

 

 

 

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