どうしてぼくはこんなところに

冷静と情熱の間で彷徨う人の雑記ブログ

座右の銘に囚われて。本質を見失ってやいないか、人生楽しんでなくない?

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 座右の銘:常に自分の心に留めておいて、戒めや励ましとする言葉。

座右の銘はなんですか?なんて聞かれることは滅多にないけれど、みんな座右の銘を持っていると思ってたんだけどそうではないらしいことを最近知った。

 そもそもなんでぼくは座右の銘を持っているんだという話で、なんでだろうと記憶を遡ると、どうやら野球部だったころの名残りらしい。

他の部活とかでもやるのかもしれないけれど、野球をやってる人っていうのは帽子のつばの裏にペンで文字を書く人が多い。自分が集中できる言葉だったり、冷静にさせてくれる言葉、奮い立たせる言葉だとか。

そうでなくとも各校、「継続は力なり」「一致協力」みたいな言葉を全体で掲げたりしていた。

もう10年も前のことだし、今はさすがにそこまで青臭くもないから、それっぽいかっこいい四字熟語を引っ張り出してきて大事にしてる、なんてことはないんだけれど、それでもぼくは今の時代に合った座右の銘はある。しっかりきれいに収まってしまっている。

 

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それは上の記事内でも述べた、こういう人生を送れたら良いよねっていうのも大事なんだけれど、その前提の生存戦略としての行動原則に座右の銘を設定している。

それが、どこかで書いたろうけれど、

It takes all the running you can do to keep in the same place

(その場にとどまり続けるのにも全力で走り続けないといけない)

 という赤の女王仮説。これがほんとに脳裏に根深く入り込んでいる。

これは、例えば自然界でいうと、チーター(捕食者)はガゼル(被食者)より速く走ることができれば、多くの獲物を獲得でき、生存競争で生き残りやすい。逆に、ガゼルはいち早く危険を察知する能力を獲得できれば生き残りやすくなる。つまりは、生存競争に生き残るためには常に進化をし続けることが必要で、それができなくなる、進歩が止まれば絶滅してしまうという説。

ビジネスから何からあらゆるところで当てはめができる。

生き残るために常に動き続ける、変わることに躊躇しないということをぼくは大事にしているわけなんだけれど、それでほんとに良いのかなと少し思い始めている。

 変わることに囚われすぎて本質を見失ってやいないかと思い始めているのだ。

座右の銘を掲げたことの本質は、ぼくがより良い人生を送るため。そのために現状に満足せず、常に危機感と向上心を持って世の趨勢を見たい。

そのために怠け者のぼくが掲げたのが上記の赤の女王仮説なわけだ。だから、できるだけ幅広く情報を仕入れ、本を読んで変化に乗り遅れないようにと、20歳そこそこの頃からやってきたつもりでもある。

長くそういうことをやっているとそれがすっかり普通になっているんだけれど、最近、ん?と疑問を持つことがでてきた。考えてることややってることは間違ってはいないと思うんだけれど、これって言わば将来への備え、なわけでそればっかりやっていると「今」を生きていない。少ない可処分所得をいわゆる自己投資にほぼオールインしてるのが現状。

この女王仮説って、下りのエスカレーターを必死に上がろうとして初めてその場をキープできるみたいな話で、それってしんどい。

言葉の意味をどストレートに受け取る必要はなくて、戒めとして不断の努力は必要だよって話なんだろうけれど、情報収集をしてると自分より若くて優秀な人が山ほどでてくる。自分が知らない、または、これからできるようになりたいと思っている分野とかだと、自分は今まで一体何をやっていたんだという気分になって結構焦る、嫉妬する、落ち込む。

こうなると、将来どうこうの前に「今」の生活が荒ぶる。今がダメな分、将来はきっと!ってますますいつ来るかわからない「将来」のために「今」を費やす。

それは健康的か、それでより良い人生を送ることができるのか、それはいつ頃できそうか、とか考えるとそこに至る道筋が見えなかったりして、充実した「今」を送ってこなかった分、振り返っても何もなかったりして、「俺はいったい、今まで何を?これからどうすれば良い?」みたいな深みにハマってゲームセット。

バランスが大事だよねって話で、最近は「今」を楽しむためにもお金と時間をある程度使うようになったんだけれど、配分が難しい。みんないったいどうやって生きてるんだと不思議に思っている。いや、ほんとに。

もっと衝動的に生きることができれば楽なんだろうけれどね。

 

 

ちなみに今日のタイトルの座右の銘に囚われてはサリンジャーライ麦畑でつかまえてから拝借している。(村上春樹訳ではタイトルは原題そのままになっているけれど)

ライ麦畑でつかまえて (白水Uブックス)

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キャッチャー・イン・ザ・ライ (ペーパーバック・エディション)

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